2024.2.22
物価上昇は家の購入にも大打撃!? 宮崎県の住宅購入価格の変化
近年、物価上昇や円安が話題となっていますが、実際に家計に影響を受けているのを実感している方も多いのではないのでしょうか?
今回お話しするのは、宮崎県の住宅購入価格の影響についてです。
夢のマイホームの購入の予定がある方、物価上昇の影響は住宅の購入価格にも出てきています。
金額の単位が大きい住宅の購入価格。どのくらい価格が上がっているのかとても気になりますよね・・・。
それでは、実際に宮崎県の住宅購入価格がどのように推移しているかをみていきましょう。
目次
1.宮崎県の住宅購入価格の上昇
2.価格上昇の要因
3.価格上昇への対応方法3選
4.まとめ
1.宮崎県の住宅購入価格の上昇
住宅金融支援機構 フラット35利用者調査 参照
https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_flat35.html
上図は住宅金融支援機構による「宮崎県の住宅購入価格」についての統計データで、
2012年から2022年までの10年間の推移です。
青のグラフが「土地購入あり注文住宅」で、青のグラフが「土地購入なし注文住宅」の価格を表しています。
住宅購入推移のグラフを見れば一目瞭然ですが、価格が年々上昇しているのがわかります。
【青のグラフで示している「土地購入あり注文住宅」の推移を見てみると】
2012年には土地購入も含めた注文住宅は約2,660万円平均で建てられていたのに対して、2022年には約3,980万円もかかるように変化しています。ここ10年間で1,320万円も金額が上がっています。驚愕の事実ですね。
つまり、土地込みで3,000万円くらいの予算で!という感覚は今やちょっとずれてきているということですね。宮崎県で土地探しから初めてお家を建てるなら3,980万円くらいかかるのが平均なんだという覚悟をする必要があります。ちなみに3,980万円のうち、土地の取得費用の平均は、855万円と出ています。
【緑のグラフで示している「土地購入なし注文住宅」の推移を見てみましょう】
2012年には約2,170万円で建てられていたお家が2022年には3,480万円かかるようになっています。その差は1,310万円です。土地購入ありの場合と同じくらい金額が上がっています。
土地を親から譲ってもらったなど既に土地があるという方は、今は平均3,480万円かかるということですね。
※ここで言う住宅購入価格=建設費とは、
主体工事費、主体工事に付随する電気、給排水、ガス設備、太陽熱温水器の各工事費、設計費、工事監理費、除却工事費、屋外附帯工事費、その他必要な費用の合計額(予定)です。
具体的にどの費用までが当てはまるかを、フラット35の担当の方に聞いてみました!
詳しくはフラット35HPよくある質問をご覧ください
https://jhffaq.jp/jhffaq/flat35/web/knowledge487.html?keyword=487
それでは、そうしてこんなにも価格が上昇しているのでしょうか?要因について見ていきましょう
2.価格上昇の要因
住宅価格が上昇している要因は「ウッドショック」「物価上昇」だと考えられます。
建築コストが高くなっているのはわかったけど、それでもやはり自分の家で充実した生活を送りたい!少しでも価格を抑える工夫はできるのでしょうか?住宅購入価格を抑えられる3つの方法を紹介します。
3.価格上昇への対応方法3選
宮崎県だけでなく全国的に住宅購入価格が上昇している中、考えるべき対応方法は以下の3点です。
①住宅購入エリアを見直す
②土地の面積(家の大きさ)を見直す
③イニシャルコスト(初期投資)とランニングコスト(維持費)を合わせた考え方をもつ
これらの方法について、それぞれ紹介します。
①住宅購入エリアを見直す
物件探しのエリアとして、宮崎県では「宮崎市」が群を抜いて土地価格が高いです。
これは2023年の宮崎県内の地価平均・坪単価平均の順位です。
上図はあくまで平均であり、同じ市の中でも「駅に近い」など、利便性が高い場所は平均以上のコストがかかります。
そのため、費用をなるべく抑えたい場合は、土地購入エリアを見直すことを検討しましょう。
②土地の面積(家の大きさ)を見直す
住宅購入は土地の面積が大きいほど当然費用も高くなります。
建築面積がコンパクトでも、設計を工夫することで小さくても広々とした家を作ることは十分可能です。
③凹凸の大きな間取りを作らない
平面図を上から見たときに、ぼこぼこと出っ張りがあるような設計だとコストがかかります。
外壁の面積が大きくなるためです。
無駄のない四角い家にすると外壁の面積を抑えられるため、材料費や工事費人件費など建築コストを抑えられるのです。
見落としがちですが、平屋の家だと外周の長さが長くなる上、基礎や屋根の面積も大きくなるため、建築コストが総2階建てと比べると高くなります。
つまり、平面図を上から見た時に、四角で凹凸のない、総2階建ての家がコストを抑えられる家だと言えます。
④初期費用「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」を合わせた考え方をもつ
予算を下げるために目には見えない性能にお金をかけなくてもいいかな・・・と考える方もいるでしょう。
そんな時は建築にかかる初期投資を「イニシャルコスト」、維持管理にかかるお金を「ランニングコスト」と考え、トータルでかかるコストはどうなるのかを検討します。
たとえイニシャルコスト(初期投資)が少し高くても、ランニングコスト(維持費)が安くなれば結果的にトータルコストは抑えられます。
例えば、
・軒やひさしに初期投資する→冷房費の削減ができて電気代がぐんと安くなる
・高気密と高断熱に初期投資する→冷暖房費の削減ができ、夏場と冬場の電気代が大幅に安く済む
・複層ガラス(ペアガラス)に初期投資する→夏は日射熱をカット、冬は暖房の熱を逃がさないガラスのお陰で冷暖房費がかからず電気代が安く済む
初期投資に少しお金がかかっても、住み始めて取り戻せることもあるんですね。
つまり、目先の初期費用を落としたあまり、住み出したら電気代が高くつき本末転倒になってしまうこともあるということをしっかり知っておくことが大事ということです。
4.まとめ
ここまで宮崎県の住宅購入価格について解説してきましたが、2012年から比較すると10年で1,300万円以上も上がってきています。
建築費を抑えるために「購入エリア」や「土地の面積(家の大きさ)」「間取り」や「性能」などを見直すことが重要です。
希望を詰め込むといくらでも費用は膨れ上がるため、絶対に譲れないものや優先順位などを話し合い、時には妥協点を見つけていくことも必要かもしれません。
ライフイベントのなかでも、もっとも大きな買い物の1つが「住宅」といわれています。賢く工夫をしながら無理のない範囲で、後悔のないマイホーム購入を実現しましょう。